高校生の時、私は格闘技に励んでおりました。朝起きて一時間のランニングをし、時間を見つけては練習場へ行きトレーニングに励むというような生徒でした。尊敬する先輩方からは多くを学び、後輩たちには多くを伝え、同期の仲間達とインターハイ優勝を目指し切磋琢磨したことはいい思い出です。
名門と言う事もあり、指導で有名な先生がいらっしゃいました。大変ユーモアのある先生でありましたが、多くは語らない先生でした。そんな先生から技術的な指導を受けたのはおそらく入部して3ヶ月だけであったと思います。基礎的なもののみで、構えとフットワークの仕方、打ち方のたった三つだけを教わりました。 この三つだけのメニューをこなす毎日の練習はとても退屈なものでした。「ガードを下げるな」「あごを引け」等と毎日毎日同じことを言われ続けていたように思います。その頃の私は基礎が大事ということが全く理解できませんでした。たった三つの事を先生の下で指導を受けただけでしたが、私達は大会に出るたびに優勝旗を持ちかえり、インターハイに何名も出場するような世代に育っていました。
私が格闘技から学んだことは、直向に取り組むという事と、基礎を大切にすると言う事です。基礎を学ぶ事が強くなる事、上達することの近道であると言う事を体験的に学びました。基礎を学ぶ事こそが土台作りであり、土台がしっかりしていればその上に積み重なるものは多くなっていくのだと感じたものです。私は再度土台作りの真っただ中におります。格闘技と同様、あらゆることに対して素直に直向に土台作りをし、多くを積み重ね、育っていきたいものです。