寒さが少しずつ緩み、春の温かい日差しを感じられる日が増えてきました。春は温かさと共に出会いと別れを連れてきます。センターに来談された方も私たち実習生もそれぞれの旅立ちや新たな出会いに不安や緊張を抱えているのではないでしょうか。以前、私が習っていたお稽古事の先生は別れの時に短歌を詠んで下さいました。当時はその意味を深く考えることはありませんでしたが、大人になり出会いと別れを繰り返すこの季節になると、その短歌が毎年のように頭に浮かぶようになりました。別れを悲しむ気持ちも新しい出会いに緊張してしまう気持ちも、教えてくれる誰かがいるからこそ芽生えてくる気持ちなのかもしれません。
「自分のことを信じられなくなったら、周りの人を信じる。」友人から言われて大事にしている言葉です。その当時、自分の悪い面や至らない点ばかりが目につき、自分のことなんて到底信じられないと思っていたのですが、この言葉が驚くほど自然に自分のなかに入ってきました。自分を信じないということは、自分を評価してくれた人を信じないことにも繋がるのだと気づき、自分のことを信じるのは難しくても、自分が信頼している人の言葉であれば信じられるとも感じました。それ以来、周りの人を信じることで、少しずつ自分を認めることにも繋がったと感じています。人それぞれに心に響く言葉は違うと思いますが、その人にとって少しでもプラスとなる言葉がけができるようになりたいと思っています。(A.T)