心の手帳 71号(2023年11月)

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猛暑が去り、昼の暑さが和らぎ、夜にはそよ風が心地よく吹くようになりましたね。朝、外に足を踏み出すと、白い息が少しでも出ないか、空に向かって大きく深呼吸をしてみるとてもわくわくする瞬間があります。
 また、静かな夜、温かい飲み物を入れ、心温まるひと時を楽しむと、カップから立ち上る白い湯気が、自分の顔に触れる瞬間がやってきます。このような瞬間は、季節の変化や四季の美しさを感じる瞬間だなと思います。自然とつながり、幸せを実感できるチャンスをこれからも楽しみましょう。
 
 
 

「繋がっている世界観」

菊池 浩光(心理臨床センター研究員?本学教授)
 原因と結果の関係を明らかにすることで発展してきた科学技術は現代文明を構築し人々の生活水準を著しく向上させた。現代人には物事を因果関係で捉える発想(因果律)が身についていて、科学的な思考は大学教育でも重視されている。日常生活において、何か問題や出来事が起きたときに、最初に発する疑問は「なぜこういうことが起きたのだろう?」であろう。理由がわからないということは不安なのだ。それゆえ、大きな事件が発生した場合、ワイドショーなどでは、その分野の専門家といわれる人が登場して、理由や原因をコメントし、人々はそれらを見て(それが正しい見識でなかったとしても)納得し安心するようなことが毎日繰り返されている。
 しかし、全ての事象を単純な因果関係で説明するのは困難で、むしろ説明できない事柄の方が多いのではないだろうか。なぜ自分は生まれてきたのか、なぜ自分はこういう出来事に遭遇したのか、な ぜこの人と出会ったのかなど、世界はむしろ不思議な出会いや出来事に満ちている。因果を超えた不思議体験の極端な例が「直感」「予感」「予知」「共時性(意味のある偶然の一致)」などであるが、実は多くの人がこれら不思議な体験をしている。 
 この不思議な現象の解明に、現在、最先端の量子物理学の「ゼロ点場仮説」が迫ろうとしている。量子物理学が示すものは、私たちが物質として認識しているものは錯覚に過ぎず、全てはエネルギーであり波動であるという概念である。そして宇宙のビッグバン以来、宇宙で起こったことの全ては波動情報として記憶され、永遠に残るという。人が何を思い、どう行動したかの一切も、である。古来より語られている「アカシックレコード」や聖書の「命の書」が示すのは、この全てを記憶する次元のことを指すのかもしれない。不思議な偶然の一致の現象は、波動が共振するから生じるのかもしれない。 因果律に基づく科学は、部分を取り出し分析するプロセスを伴うが、量子物理学が示す世界は、すべてがひとつに繋がり関係性をもっていることを明らかにする。私たちは、従来の物の見方だけにとらわれないでいたいと思う。
 

実習生(大学院生)のつぶやき

 平日、勉強や実習などであわただしく過ごしていると、どうしても休息がほしくなります。私は休日にストレス発散としてYouTubeを見るのですが、一日にどれだけスマホを見ているか調べてみると、なんと13時間以上!色々なコンテンツが溢れる世の中で情報に埋もれてしまっているな…と感じました。同時に、スマホを持っていなかった中学生の頃は、窓の外から見える木々を横目に小説を読むのが好きだったことを思い出しました。様々なことに感動していた日々を思うと、心の琴線に触れるような自然や物語が恋しくなってしまいました。この秋は「脱スマホ」を目標に、美しい紅葉の景色を楽しんでいきたいなと思います。皆さんは休日どのように過ごされますか?(I.K)