心の手帳 73号(2024年6月)

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夏の訪れ
 
 低い気温が続いていましたが、段々と暑い日が増えてきましたね。急激な温度変化で体調を崩しやすい季節ですが、皆さん食事と睡眠をしっかりととって過ごせているでしょうか。
「夏といえば」皆さん何を想像されますか?海水浴、山登り、花火、縁日といったレジャーや、スイカ、そうめん、かき氷といった食べ物。ひまわり、夕立、セミの鳴き声、梅雨etc…。わくわくするような行事も多いですが、きつい日差しに疲れてしまう時もあるかもしれません。日が伸びて活動的になりやすいこの季節に、ゆっくりと自分自身に目を向けてあげる時間を作ることも大切なことかもしれませんね。
 

「どうして男性は話し合いが嫌いだといわれるか」

佐野 友泰(心理臨床センター研究員?本学教授)
 近頃、学生さんに少しでも興味のある学問トピックを提供したいと思い、恋愛心理学など講義やゼミで扱っています。今日はどうして男性は話し合いを避けるのかについてお話してみようと思います。気楽にお読みください。
 パートナーになった二人には、楽しいばかりではなく、様々なトラブルが生じる可能性があります。話し合わなくてはならない事項も多いと思いますが、女性の方からよく聞く不満が、男性が話し合いに応じてくれないというものです。男性はよく、「疲れている」、「今はなさなくてもいい」、「何とかなる」という言葉で話し合いを回避しようとします。これはどういった理由によるものでしょう?
 第一の理由は、男性と女性はその恋人関係に対する視点が異なるというものです。女性は男性と恋人関係になった際に、二人の関係をより良いものにして、お互いに成長していこうとします。一方男性は、恋人関係が開始された時点での、楽しい関係が続くことを期待します。つまり、恋人関係に対して、女性は互いの成長を、男性は楽しさを求めているのです。すると、女性よりも男性の方が、話し合いに対する動機づけが低いことが分かると思います。
 第二の理由は、話し合いの内容です。例えば女性が男性に対して「この頃甘いもの食べる量が多いよね。年を取ったときに不健康になるから話し合いをしよう」といい、「甘いものを食べる量を減らして運動しなければいけないよね」という結論になったとします。この場合、話し合いというのは、問題の指摘と改善要求になります。このような話し合いを経験した男性は、自分が責められ、変化を強制されたくないことから、話し合いから逃げたくなります。
 第三の理由は、話題の展開についていけないことです。女性の中には、ひとつの事柄について話しているうちに、過去のこともどんどん思い出してきて「前にケンカした時、あなたはこう言ったよね」というように、次から次へと別のことを話してしまう方もいます。男性はこう言った話題の転換についていけなくなることが多いものです。
しかしながら、話し合えない関係というのは、パートナー関係を長く続けるのに大きな支障になります。対応としては、「責めるつもりはないこと」「話し合いの内容と時間を明確にすること」を心がければ、男性の話し合いのテーブルにつきやすくなります。
 今回お話ししたことはあくまでも一般的傾向を示したものであり、「男性は???、女性は???」という性別による行動的傾向を決めつけるもではありません。あくまでも気軽なエッセイとして楽しんで頂ければ幸いです。
 

実習生(大学院生)のつぶやき

 最近、寒暖差が激しい日が続いている気がします。ふと、気温について調べていると「リラ冷え」という単語に出会いました。「リラ冷え」は北海道特有の気象現象で、主に5月下旬から6月初旬にかけておこる「昼間は暖かかったのに、夕方になったら急に気温が下がって寒い!」という、あの現象のことを指します。名前の由来は、フランス語でライラックを意味する「リラ(Lilas)」に由来しており、ライラックの花が咲く季節に冷え込むことから「リラ冷え」と呼ばれているそうです。昼間の暖かさに油断せず、冷え込む夜に備えて重ね着や防寒着を準備しておくと役立つかもしれません。みなさま、体調管理に気をつけてお過ごしください。(K?T)