今回は、人間科学科地域文化専攻の活動として、夏休み中の最新情報を紹介します。
舞台は、本学と地域連携協定を結んでいる道東の置戸町です。
置戸町は山間部に位置することもあり、林業が主要な産業のひとつで、木工品のオケクラフトが有名です。そんな置戸町ですが、石器時代の道具の材料となる黒耀石の大産地があり、考古学者の中では知らない人がいないほど、著名な町です。
当日の主役は、もちろん黒耀石と黒耀石製の石器。私はそのガイドという立ち位置です。現地では、地表で確認できる黒耀石の量や大きさに注目しながら実際に遺跡を歩き、過去の人々の活動について中学生自身が自分の目と足を使って考えます。
授業の後半は、中学校の教室にて、実際に出土した石器を観察し、黒耀石の特徴や石器についてみんなで意見を出し合いながら考えます。教科書にはのっていない“答え”を追求するのは、まさに考古学の研究者とかわりありません。専門家顔負けの意見もあり、私も大いに勉強になりました。中学生のみなさんは、黒耀石や遺跡の重要性を実感するとともに、そのような文化資源を持つ町の魅力を強く認識できたようです。
これまでの受講生がどのように地域の資源(森林や黒耀石)を活かし、これからの置戸町を作っていくのか。継続的に事業を実施しながら、受講生のみなさんの活動を支援し、一緒に置戸の未来を考えていきたいと思います。
(大塚 宜明)